【鉄琴線】鉄路の情景OneShot!

今日も何処かで。ガッタン、ゴットン・・

-いつか見た光景へ-

いつか見た光景へ

 ぼんやり窓外の津軽平野を眺め、やがて金木を過ぎ、芦野公園といふ踏切番の小屋くらゐの小さい駅に着いて、金木の町長が東京からの帰りに上野で芦野公園の切符を求め、そんな駅は無いと言はれ憤然として、津軽鉄道の芦野公園を知らんかと言ひ、駅員に三十分も調べさせ、たうとう芦野公園の切符をせしめたといふ昔の逸事…。



ここに古里がある。
誰に向けた言葉なんだろう。
この地を訪れた人にだろうか、後にする人にだろうか、それとも帰って来た人にだろうか。
古里は誰にでもある、ここにある風景はそんな気持になる。
 


凍てつく駅。
駅の引き戸に北国を実感する。
ホームの向こうは雪原の津軽平野。
火の気のない無人の駅に、何故か温もりを感じる。
不思議な感覚。



古里の列車。
毎年、ストーブ列車が走り出す頃、津軽平野に冬の訪れを告げる風が吹くとか。
曇った窓の向こうに、ダルマストーブが赤々と燃える。
北国の鉄道情景。



車窓。
松林を抜け、雪原を走るストーブ列車。
心地よい揺れに夢ごこち。
古里まどろむストーブの温もり。
故郷の鉄道。



車では見落としてしまう。
列車でも速すぎる。
だから歩くことにした。

同じものはない。
幾度も同じ路を歩いても
同じ光景はない。
だからまた歩く。
古里を。

1944年6月15日に書き出された「津軽」から66年後の2010年12月4日に東北新幹線新青森業。太宰 治没後62年、着工から39年の時を経て、東北新幹線は全線開通。計画では東北新幹線は新青森駅で北海道新幹線(2015年開業予定)に接続する。東京~新青森の所要時分は今春から3時間10分程度に短縮され、将来的には最速2時間40分程度になる見込み。太宰治の古里、小島一郎が撮り綴った津軽はまた変る。
2011年1月 津軽鉄道 PENTAX K5D K7D DA☆50-135mm DA☆16-50mm F2.8
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コメント


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津軽

こんばんは。

最近久しぶりに太宰治の「津軽」読みました。

あの語り口、何度読んでも変わらず好きです。

dsk300 | URL | 2011-01-21(Fri)23:39 [編集]


おばんです。
五所川原に行くと、古里を訪ねる旅人になるような気がします。
たぶん、訪れる人のほとんどがそんな気持ちになる場所なんでしょうね。

zin | URL | 2011-01-22(Sat)23:10 [編集]